「水道の引き込み工事って何をするの?」
「どれくらいの工事費用になる?」
マイホームを建築する際は、家に水道管を引き込む工事をしなければいけませんが、どのような工事を行うのでしょうか?
また気になるのは費用です。数十万円の工事費用で済む方もいらっしゃれば、数百万円の工事費用が掛かったという方もいらっしゃるため、どのような理由で工事費用が高くなるのか把握しておくべきです。
そこで、この記事では水道の引き込み工事の内容と費用目安、工事費用が割高になる3つのケースを紹介します。
水道の引き込み工事とは
はじめに、マイホームを建築する際に行う水道の引き込み工事について紹介します。
前提知識:水道引き込み工事は上水道と下水道に分けられる
水道引き込み工事は「上水道」と「下水道」の2つに分けられます。
上水道
上水道とは、浄水施設から建物内まで引き込むきれいな水のことを指します。飲み水やお風呂の水、洗濯機の水などさまざまな箇所で利用されます。
上水道は、前面道路に埋設されている水道本管から配管を分岐させて、自宅へ給水させる仕組みです。
下水道
下水道とは、建物内の排水溝から下水処理施設までの水道を指し、トイレやキッチン、お風呂などで使用した水を処理します。上水道とは異なる配管を経由し、公共汚水桝を通って下水道本管に流されていく仕組みです。
3つの水道工事
マイホームを建築する際は、以下の3つの水道工事を行います。
・ 給水管引き込み工事
・ 室内(宅内)配管工事
・ 下水道排水工事
それぞれどのような工事なのか確認しておきましょう。
給水管引き込み工事
水道本管から給水管を分岐させ、上水道を敷地内に引き込むための工事です。自治体などからさまざまな許可をもらい、本管が埋設されている前面道路を一度掘削し、水道管を敷地内に引き込み、再度道路を復旧させる流れです。
室内(宅内)配管工事
給水管引き込み工事によって敷地内に引き込んだ水道管を、建物内まで引き込む工事です。建物の基礎が完成した前後で工事を行うことが一般的であり、キッチン・浴室・洗面所といった水まわりの設備のために工事します。
下水道排水工事
建物内の排水管から前面道路の公共桝まで配管の接続を行う工事です。室内(宅内)配管工事同様、水回りの設備を中心に行います。
水道を引く工事費用の目安
ここでは水道を引く場合の工事費用の目安について紹介します。
もちろん土地によって水道を引く工事費用は異なります。上記の価格は目安ですが、一つずつ紹介します。
上水道の費用目安
上水道の工事目安は「30万〜50万円ほど」です。おおよそ、1mの配管を引き込むためには、1.5万円〜2万円ほどの費用となるケースが多いです。そのため、前面道路の水道管から敷地内に引き込む距離が20mの場合、30万円〜40万円ほどになるということです。
また、一般的な住宅は、水道管の口径を20㎜で引き込みます。水道管の口径には13㎜や25㎜もあり、口径が大きくなるほど水圧と水量が増える仕組みですが、費用も割高になります。
二世帯住宅や3階建ての住宅は、25㎜を引き込む必要があるケースも多いため、上水道の工事費用は各家庭で異なると認識しておきましょう。
下水道の費用目安
下水道工事は「30万円〜100万円」ほどの費用が目安です。上水道同様、1mあたり1万5,000円〜2万円程の工事費用となりますが、上水道より施工が複雑であったり、配管までの距離が長い場合もあるため、敷地によって費用は大きく変動します。
また、浄化槽を利用している方が下水道へ切り替えた場合、おおよそ20万円〜30万円ほど、汲み取り式トイレから下水道への切り替え工事は60万円〜100万円がかかります。
加えて公共桝までの距離に比例して費用がさらに割高になる場合も多いです。
水道引き込み工事以外に発生するその他の費用
給水管引き込み工事では、工事費用以外にも発生する費用があります。
給水申込納付金(水道加入金)
水道を新しく引き込む際に水道局へ払う申込み費用です。費用は口径の大きさや各自治体によって異なります。
給水申込納付金は新たに水道を引き込む場合に支払う費用であるため、以前住宅が建っていた土地などは支払わなくても済むケースが多いです。前所有者が既に支払っていた場合は納付する必要がなくなります。
各種手数料
各種手数料とは、水道管の設計費用や分岐管理手数料のことを指します。おおよそ1件当たり1万円〜2万円ほどの費用が目安です。
水道を引く工事費用割高になる3つのケース
水道の引き込み工事は、土地によって価格は大きく異なります。ここでは工事費用が割高になりやすい3つのケースを紹介します。
・ 水道本管から建物までの距離がある
・ 前面道路が国道や県道
・ 水道管の口径が大きい
上記のケースに該当しないように、一つずつ確認しておきましょう。
水道本管から建物までの距離がある
水道本管から建物までの距離が長くなるほど、工事費用は割高になります。水道本管は道路に埋設されてますが、100%前面道路に埋設されている保証はありません。
前面道路に埋設されていない場合、水道本管が埋設されている場所から引き込みしなければいけないため、必要な配管が増えるのはもちろん、道路の復旧範囲が広がるため工事費用は高くなります。
国道や県道などであれば、道路沿いに数多くの建物が建築されているため、水道管が埋設されている可能性が高いです。また住宅地なども、同様に水道管が埋設されている可能性が高いですが、少し外れた土地や、誰も住んでいないようなエリアの場合、水道本管から建物まで引き込み距離は長くなってしまいます。
そのため、土地を購入してマイホームを建築する方は、住宅が建っているエリアを優先して探すか、建築会社などのプロに調べてもらうようにしましょう。
前面道路が国道や県道
前面道路が国道や県道は、水道本管が埋設されている可能性も高いですが、一方で車の交通量も多いため、道路占用許可(道路を掘削するための許可)を取得するまで半年以上かかるケースも多いです。
さらに、通常の道路と比較すると、コストも多少高めになるため、大道路沿いと言われる国道や県道などに沿った土地は控えるようにしましょう。
水道管の口径が大きい
先程もお伝えした通り、水道管の口径が大きくなるにつれて、給水申込納付金も高くなります。工事費自体はさほど大きな違いはありませんが、水量も増えるため、水道代などのランニングコストも増えてしまいます。
例えば25mmから20mmや13mmに減径すると、基本料金が月1000円程度下がることもあります。40年住み続けた場合、約48万円もの違いがあるということです。
工事費だけでなく、月々の費用も負担が増えるため、必要最低限な水道管の口径に設定しましょう。
<目安口径>
水道引き込み工事のまとめ
水道引き込み工事には「上水道」と「下水道」の2種類が挙げられ、給水管引き込み工事と室内(宅内)配管工事、下水道排水工事の3つの工事を行います。
それぞれの工事費用を合算すると、おおよそ60万円〜140万円ほどとなりますが、水道本管との距離が長くなったり、前面道路が国道や県道などの場合の土地では、水道の引き込みに多額の費用が発生する可能性も高いです。
そのため、建築会社などの専門家に埋設されている水道管について調べてもらってから、土地を購入するようにしましょう。
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